友達も俺と同じように冤罪だった。
そしたら話を聞いていたおばあちゃんが見る見る怒り出して、そのスーパーに電話をかけだした。
俺の両親は会社員なんだけど、おばあちゃんは複数店舗を持ってる飲食店経営者で、そのスーパーが取引先だったんだ。
おばあちゃん話して夜にスーパーの偉い人とオッサンがうちに来ることになった。
あと、俺の友達んちの親とうちの親にも連絡して、とにかく夜に我が家大集合。
偉い人はお菓子持ってきて、「今回のことはなかったことに」みたいなかんじで言ってた。
おばあちゃんが「取引先だから言うんじゃないし、取引先の孫だからとかじゃない」って前置きして、
「間違いは誰にでもあるからそれを怒ってるんじゃない。
なぜ間違えたことをその場でオッサンは謝らなかったんだ」
「自分(おばあちゃん)が呼び出したらすっ飛んで来るのに、子どもにはそんな態度をとっていいのか」
「しかもうちの孫だけじゃなくそのあと孫の友達にまで同じことをしている。
きっと他にもまだ被害者はいるはずだ」って超説教。
「悪いことは大人だろうが子どもだろうが悪いんだ」って。
んで俺の親には
「たしかにポケットに手を入れてた孫が悪いが、それを怒った上で
なぜスーパーにも文句を言いに行かないか」って説教。
友達んちの親には「こういう事情だから孫の友達は悪くないよ」って説明。
そして俺はやっぱりポケットに手を入れていたことをおばあちゃんに怒られた。
こういう誤解を生むことがあるってこと。
あと、転けた時にとっさに手が使えないと大ケガすることがあるってこと。
だからポケットに手を入れて歩くな、と。
俺はその時、「おばあちゃんカッコエー!」って思った。
その時の印象が強くて、今でもポケットに手を入れて歩かないようにしてる。
あと、俺を万引きと間違えたオッサンはその場では「この人にだって生活があるでしょう」っておばあちゃんが言って、そのおかげなのかなんなのかクビとかにはならなかった。
けど、それから数年後、同じように客に万引き冤罪かぶせて結局はクビになったらしい。