周りの人の話だと
「血相を変えた男が鉄の棒で私をよこざまに殴ろうとしたのだけど
あなたが後ろに動いたので、横の電柱を力任せに叩いてしまい、
胸を押さえながらうずくまってしまった」というのです。
考え事をしていた私は、ほぼ正面から棒を持って
私を殴ろうと近づいてくる男にまったく気づきませんでした。
買い物を思い出して後ろに動かなければ、
男の棒は私にひどい怪我を負わせていたに違いありません。
棒は硬い電柱を叩き、衝撃で男の鎖骨だか肋骨だかにひびを入れました。
その男がさっきのタバコの男であり、さらに
中学時代に私をいじめていた男子であると知ったのは
戻ってきた警察の人に呼ばれ、事情を聞かれたときでした。
ばい菌と蔑んでいた女が偉そうに自分に注意し、恥をかかせたというので
怒り狂って殴ってやろうと、得物持ってうろついていたそうです。
私は地元を離れて数年経っていたので、タバコの男が
かつての同級生だとはまったくわかりませんでした。
ついでに、噂によるとその男は以前暴力事件を起こし、
執行猶予中だったそうです。
翌日地元を離れなければならなかったので特に被害届は出しませんでしたが
その後「服役している」という噂を聞きました
(私に対する傷害未遂でかどうかはわかりません)。