どこでもドアが欲しかった

野生児の兄。当然宿題が終わらず、祖父に俳句を作ってもらった。すると…

time 2016/12/07

野生児の兄。当然宿題が終わらず、祖父に俳句を作ってもらった。すると…

兄が小4、私が小2の時。

兄は典型的な野生児タイプで3分と家の中でジッとしてられない人だった。
特に夏休みなんてなったら朝早くから夜遅くまでプールに虫取りにキャンプにーと大忙しで全くと言っていいほど家に戻ってこないから、当然ながら宿題なんて進まない。
いくら言っても言う事を聞かない兄に母は
「何か1つでも終わらせないと虫取り網捨てるからね!」
と切れてた。

兄はしぶしぶ1番早く終わりそうな、俳句を作れってのをやることに決めたんだが、基本的に馬鹿なので何も思いつかなかったそうだ。
頭を悩ませてると一緒に住んでいたじーちゃんが、
「お!お前が宿題やってるなんて珍しいな!どうした!」
と聞いてきたらしい。

「宿題を1つでもやらないとかーちゃんに俺の網を捨てられるんだ…」
と言うと、子供は家で勉強よりも外で遊んで学ぶべき!な考えのじーちゃんが
「よし!俳句はじーちゃんに任せてお前は遊んでこい!」
と請け負ってしまった。

夏休みが終わり登校初日、じーちゃんが兄にこっそり俳句を渡してた。

学校に着き、兄はじーちゃん作の俳句を自分が書いたものとして提出。
初日は始業式と宿題提出だけだったのでそのまま帰ってきたんだが、翌々日の夕方あたり、家に誰かから電話がかかってきた。
電話はかーちゃんが出たんだけど、受話器を置くと私に静かな声で
「兄を連れてきなさい。かーちゃんが話があるって言っておいで。」
というので家を飛び出した。

そして…

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