どこでもドアが欲しかった

パーマを当てた妹が凄く可愛くて写真を撮りまくった。でも次の日…

time 2016/12/10

パーマを当てた妹が凄く可愛くて写真を撮りまくった。でも次の日…

私は復讐を決意した。

次の日、父に頼んで休みをもらい、妹の大学までバイクでいった。
当時の愛車は初代隼のブラウンで、わざと見た目もいかつくライダースジャケットを着たり、女の子らしくとはかけ離れた格好をして行った。
しばらく待って、帽子をかぶった妹と彼氏が出てきたので、話しかけた。
私「やぁ、久しぶり。ちょっと話したいことあるからさ、来てくんない?」
彼氏「いや…今から用事が…」
私「お前さ、自分の立場分かってる?女の髪切っといて何言ってんの?このまま警察行ってもいいんだけど。」
彼氏「警察だけは…」
この時点で彼氏半泣き。女は女でも言い返してきたり、強そうな女には弱いらしい。
取り敢えずバイクの後ろに彼氏乗せて、妹には美容院行ってからゆっくり帰っておいで、と言った。
うちの鉄工所の裏にある資材置き場まで連れてって、妹側の話しか聞いてないので彼氏から話聞いた。妹の話とほぼ一緒だったけど、話の間に、あんな遊び人みたいな真似、とかあいつ(妹)も悪いとかわけわからんこと言うからイライラした。
イライラしたので、とりあえずバイク用に履いてたエンジニアブーツで股を踏み抜いといた。
うずくまって脂汗流してた。
「警察行くのと、妹と同じことされんのどっちがいい?」
と聞くと、呻きながら妹と同じで、と言ったので、バリカンで丸坊主にした。
でもまだ足りないと思ったので、父にT字カミソリをもらい、つるんつるんにして、今度妹に近づいたらこんだけで済むと思うな、と言って帰した。彼氏はすごい泣いてた。

次の日、また新しい髪型(ベリーショートも似合ってた)で大学に行って帰ってきた妹からの報告。
妹「今日大学ですれ違ったけど、すれ違いざまにお前の姉ちゃんやーくーざーって言われたよ」
私「ヤクザほど怖いことしてないよ。」
妹「あとで周りの子が聞いたらね、お姉ちゃんの指なかったからやくざだと思ったんだって。」
私は鉄工所で働き始めた頃、不注意で右手の薬指の先を落としてる。
先だけだし、全然気にしてないし家族でもネタにするくらい普通のことなんだけど、まさかヤクザと思われるとは。どんだけ彼氏びびりだよ、と思った。
そのあと、妹には何もして来ず、
「女にスキンヘッドにされた」「されるからには酷いことしたに違いない」と噂が回って、彼氏は大学に居づらくなり辞めた、と聞いて安心した。

先日妹の結婚式があり、お姉ちゃんへの手紙を読まれ、気持ち悪いくらい号泣した姉でした。

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