どこでもドアが欲しかった

入院中に嫁の上司がやってきた。嫁上司「彼女と別れて欲しい。あなたの看病が辛そうで見ていられない。」俺「…」→仕事帰りに見舞いに来た嫁に別れを切り出すと…

time 2016/12/21

入院中に嫁の上司がやってきた。嫁上司「彼女と別れて欲しい。あなたの看病が辛そうで見ていられない。」俺「…」→仕事帰りに見舞いに来た嫁に別れを切り出すと…

何で、と聞くと「ちょび髭ハゲ眼鏡を地獄に叩き込んできた」とのこと。 
要約すると嫁は職場で堂々と彼氏持ちだと公言していたため言い寄ってくる男はセクハラ好きな上司のちょび髭ハゲ眼鏡しかいない。 
ちょび髭ハゲ眼鏡は妻子持ちだが無類の女好きで嫁に不倫関係を強要しようとしたが彼氏持ち(俺)を理由にやんわりとあしらっていた。 
で俺が入院したと知ったちょび髭ハゲ眼鏡は俺と嫁が別れれば嫁と不倫できる、とやってきたらしい。 
で、嫁キレる。親の伝で弁護士雇いボイスレコーダーや同僚の証言を証拠にちょび髭ハゲ眼鏡宅を襲撃、ちょび髭ハゲ眼鏡の妻と娘(といっても嫁より年上)に突きつける。 
結果ちょび髭ハゲ眼鏡は妻に離婚され慰謝料請求、定年間近だった職場は解雇、極めつけはスピーカーおばさんたちに情報をリークし一晩とたたずちょび髭ハゲ眼鏡は「娘より年下の部下に不倫を強要してクビになり離婚されたグズ」として一躍有名になった。 

ちなみに俺は退院後は某警備会社に再就職。それと同時に嫁と籍を入れて結婚、俺も嫁も派手なのは好きじゃないので家族のみの小さな式で済ませて知人には「結婚しました」の手紙のみですませた。 

この数年後に最大級の修羅場が待っている事に気付かずwwwww

嫁と結婚してからも俺実家で両親と同居。昔から知っているため嫁姑関係も良好。 
嫁の給料は知らないけど、俺は手取りで20マソ前後(月によって残業時間に差があるため)。でそれぞれ5マソずつ、計10マソを親に生活費として渡している。 

で新たな修羅場の元凶は妹と婚約者の家族合わせの結納式だった。(俺の場合は両家ともよく知っていたので特にやらなかった) 
相手は中小企業だが会社の御曹司。合コンでゲットしたとか。 
しばらく見ていたがあまりいい印象は持てなかった。なんせ婚約者ほったらかして嫁を口説こうとしているんだから。 
嫁も嫌そうな顔をしているしおれも不愉快だから適当に「じゃあ俺たちはこの辺であとは御本人と親同志でどうぞ」と切り出して退出。 
御曹司は「何でこんな奴が」という表情を隠そうともせずこちらを睨み付けてた。生憎だがそう言う顔をするやつはごまんと見てるからすぐ分かる。 

その後はトントン拍子で話が進み、妹と婚約者は結婚。俺の時は厳かだったせいかゴージャスな式だった。 
相手の家から結婚祝いに新居を与えられそちらに妹が移り住んでから半年後、それは起きた。 

その日の仕事が終わり夜の8時頃帰ってきてリビングで見たものは、 す巻きにされて嫁にサンドバックにされている御曹司と、親父とお袋に羽交い締めにされている妹の姿だった。

話を聞くとこうだった。 
妹と御曹司が何故俺が嫁と結婚出来たのか話し合う。その結果出た答えは『俺が嫁を脅迫して無理矢理結婚している』『じゃあ助けてあげないと』『社長たるもの愛人の一人や二人は持たなければならない』『俺様のマジカルチンポでメロメロにしてやんよ』 
突っ込みどころ満載だが一つだけ言いたい。御曹司、お前工口ゲやり過ぎ。 
あと妹、お前そんな目で俺を見てたんだな。 

でアポなしで突撃してきた妹夫婦を不審に思った嫁は咄嗟にリビングにカメラを回し始め、愛用のボイスレコーダーをスタンバイ。 
カメラの録画映像で御曹司が嫁の肩に手を回してキスしようとしたり、押し倒して服に手をかけようとしたシーンは剰りにも殺意の波動に目覚めて野生化してしまいそうだったが、次の瞬間御曹司が跳ね上がった。 
嫁が隠し持っていたスタンガンが炸裂したのだ。ピクピク痙攣する御曹司に念には念をいれてもう一度スタンガンを叩き込む嫁。 
ここで唖然としていた妹が我にかえって飛び掛かるが、合気道か何かの武術なのか嫁の手で妹が宙を一回転半。二人仲良くスタンガンで失神したところで映像はおわった。

その後は顔馴染みになった弁護士召喚、続いて御曹司の親召喚。 
しかし流石は御曹司の親、勝る劣らずな自己中だった。 
経緯を説明して証拠に影像を見せても開き直るというより、意味がわからない超理論を繰り広げる。 
揚げ句のはてには嫁に「息子のではなく俺の愛人になれ」「嫁を売れ、幾ら欲しいんだ? ん?」と言い出す始末。 
取りあえず御曹司の引き渡しの条件になんとか今後二度と俺一家への故意の接触と愛人契約禁止を結ばせご退場願った。 

弁護士さんも疲れきったかおで「こんな話の通じない宇宙人は始めてですよ」と愚痴った。 

なお妹は両親から離婚して戻ってくるよう言われるも拒否、親子の縁を切ってまで御曹司に付いていった。 

それから数年、特に接触はなかったがある日キャバ嬢が転がり込んできた。 
そのキャバ嬢はなんとOLから華麗な転身を遂げた妹だった。 
何でも御曹司父の愛人にされたり、摂待と称して会社の幹部連中に林間されたりしていて隙を見て逃げ出してきたらしい。 
母は匿う気だったが、父はどこぞへ電話。「お前のペットが家に転がり混んできた、さっさと引き取りに来い」どう考えても御曹司への電話でした。 
それを聞いた母は「どうして、あの子は私たちの子なのよ」と詰め寄るが「離婚してくれていい、慰謝料もお前の言い値で出す。でももうあいつのことを自分の娘だとおもえないんだ」と言われて思うところがあるのか泣き崩れてしまった。 

結局妹は抵抗したがドナドナ。少し前に御曹司にすてられたという話を妹の元友達からきいたけどあくまで噂だから真実は知らない。 

あれから妹は最初から居ないものとして扱われ、親にも元気が戻ってきた。その理由は嫁のお腹が大きくなり始めたからなんだけどね。

ちなみに何故俺と付き合って結婚してくれたのか嫁に聞いたら「変わらず接してくれたから」だと。 
何でも俺以外の幼なじみはみんな嫁が女らしくなっていくと「キモイ」とか「ヘンタイ」と俺が気づかない内に虐めに発展していたらしい。鈍すぎてすいまそん。 
むしろそんな奴の中にも嫁に告白してきたのが居たらしいが、そいたは嫁の父が徹底的に潰したらしい。どうなったかは知らん。

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