スーツの女性はおもむろにコンセントを抜き取り通路にぶんなげると
『貴女、日本の方?』
と淑やかに小首傾げて聞いた。
窓際に座っていた子供は異常に気づいたのか
『ママーちゃんと通路に戻ろうよ』
と半泣きだった。
『お子さんは日本語通じるみたいですけど…野猿には言語はないのかしら?』
飽くまで上品におっとりと話すスーツ美女にヤンママは何かをふぁびょりながら席を立ちました。
スーツ美女は何もなかったように窓際に座りバッグから本を出し読み始めた頃、通路挟んで反対側から上品な老婦人が席を移動しスーツ美女の横に腰掛けました。
何でもヤンママに窓際+通路側の2席に座らせろと指定席を追い出されたそうです。
(ヤンママは自由席だったけど子供いるから席寄越せと追い出されたらしい)
スーツ美女は老婦人に
『最近のコジキは贅沢品まで物乞いするから面倒ですね』
と優雅に微笑んでました。
…すげぇぇぇぇ
スカッとしたけれど武勇伝だけれど色々すげぇぇぇと感心した光景でした。