どこでもドアが欲しかった

祖母「みんなにバレないようにあなたが隠し持って、私がタヒんだらこの家を出なさい。この家にもう戻ってはいけないよ」

time 2018/09/09

祖母「みんなにバレないようにあなたが隠し持って、私がタヒんだらこの家を出なさい。この家にもう戻ってはいけないよ」

もう10数年前だが、祖母が新聞紙に包まれてた重い何かを私に渡して、
「絶対みんなにバレないようにあなたが隠して持ってなさい。私が死んだらそれを持ってこの家を出なさい。必ず大事に使いなさい、この家にもう戻ってはいけないよ」
と言った。

この時私は高校出て、家事と寝たきりの祖母の介護をしてた。
夜の介護も私なので同室。
大学は「馬鹿だから行くな」と親に言われた。

子供の頃から塾に通っていい大学に行った兄に比べれば、私は塾も習い事も行ったことない。
馬鹿なので、しょうがないなと思ってた。
兄の習い事での表彰状が家じゅうに貼ってあった。
羨ましかったけど、
「お前には引っくり返っても貰えないよ」
と祖母以外のみんなに言われて育ってたので、そうなんだなと思った。

祖母は
「○○ちゃん(私)だって賢い子だよ」
と言ってくれたが、家の中で病気がちな祖母の発言は弱かった。
家は会社人間の父と、趣味と社交に没頭する母、出来る兄と、奴隷要員の私と、ガンの手術と再発を繰り返
してる祖母の5人暮らしだった。

祖母は冒頭の会話の二年後、最後のガン手術から結局回復しないまま心不全で他界した。
祖母の部屋からは手術前に残した手紙が見つかって…

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引用:LIFELIFE
画像出典:写真AC

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