「数年前○○会社の○○と名乗る男性のつまらない投資詐欺に騙されて、お父さん(祖父)から相続した貯金をほとんど無くしてしまいました。恥ずかしくて今まで隠してました。ごめんね」
という内容だった。
両親と兄は
「介護までしたのに!恩知らずのババアが!!」
と大激怒。
私はただ泣いていた。
祖母の介護がなくなったので、私は家を出ることにした。
両親は
「家事はどうするんだ」
と怒ってたけど、結局は
「高卒出のバイト暮らしなんて、すぐ立ち行かなくなるぞ」
「週末は家事しに戻ってこい」
と言って送り出してくれた。
それが両親の顔を見た最後。
兄の顔見た最後はいつだったか。全然思いだせない。
祖母から預かった新聞紙の包みの中身は知ってた。
アパート借りる保証人になってもらう時親に見せた住所は偽物。
遅くなったけど専門学校に入り資格を取り就職、その後縁あって結婚も出来た。
祖母のお金は入学金とバイトが見つかるまでの生活費にしか使わず、結局まだほとんどが金庫に残っている。
これがあれば何も怖くないよと、いつも祖母が背中を押してくれてるような気がしてる。