私と婚約者の彼は高校時代からの付き合い。
親や先輩後輩友人公認。
付き合いも長いし、彼の親が割と高齢というのもあって、安心させてあげたいという彼の希望で内定を期に婚約。
結婚式は就職して少ししてからにしようということになった。
結納もして、友人が婚約パーティを開いてくれたり、教授がお祝いのお食事会をしてくれたりした。
私も中小企業だけどずっと行きたかった企業から内定をもらって、順調な人生だけが見えてた。
婚約者は大手企業の内定を複数もらい、どこに決めるかで悩んでた。
周囲が苦戦する中、贅沢な悩みだけど大変だなと思ってた。
その悩みが大きくなりすぎたのか、その頃から婚約者の私に対する態度が悪くなってきた。
ドタキャン当たり前。
約束すっぽかしも日常茶飯事になってきた。
悩みがあるんだろうからと大目に見てたけど、ものには限界ってものがあった。
それについて苦情を言うと
「お前にそんな価値あんの?」
という信じられない言葉が返ってきた。
そこから大喧嘩。
売り言葉に買い言葉の中で彼がポロッと
「お前、A子に勝てるもん何ひとつないじゃん」
「A子って誰よ!」
「誰でもいいだろ~。B子の方が頭いいしさ」
「B子って?」
浮気したのかと問い詰めたら
「浮気とかじゃないだろ~。俺、真実に気づいちゃったわけよ」
彼の言い分は、高校時代から女性は私しか知らなかった。
でも大手企業に行くと、私よりも高スペックの女性がたくさんいる。
中小企業にしか行けない女よりも、大手企業にいる女性の方が、大手企業勤めになる俺にふさわしいと気がついたということだった。
だからこれは浮気じゃないと言った。
高校の時から私のしたい職業を応援してくれたんじゃなかったのかとか言ったけど返ってきた答えは
「どーでもいいし」だけだった。
成績もずっと私の方が良かったけど、それは嘘だと言われた。
大手企業に行く俺の方が中小企業のお前よりも頭が良いってことが分かった。
ずっとお前の方が頭がいいいと思い込まされてだまされてたとも言われた。
たしかに彼は器用で人当たりも良かったけど、成績がイマイチで心配な面もあった。
でも皆が苦戦する中、早々に内定複数手に入れて、やればできる人なんだと見直してた。
すごく自分に自信が持てるようになってきたとは思ってたけど、まさか私やまわりを見下すようになるなんて思いもよらなかった。
彼の目が醒めるまで待つか、一旦婚約解消するかどうかでかなり悩んだ。
でも彼と接すれば接するほど辛いだけだし、周りも「喧嘩したの?」と心配してくるし、けじめをつけることにした。
祝福してくれた人たちに謝って婚約解消しようと彼に告げると
「そんなみっともないことしたくない」と拒否された。
「でも、私が嫌なんでしょ?他の女の子がいいんでしょ?」
と言うと
「婚約解消なんかかっこ悪いし、うちのオフクロが結婚式楽しみにしてるし。お前も結婚式したいだろ?女は結婚式できりゃ文句ないだろ?」
というバカなことを言いだした。
「え?じゃあ結婚してから他の女の子と付き合う気?」
「すぐ離婚すりゃいいじゃん。バツイチだったらちょっとかっこいいし」
「私はバツイチなんかになりたくないし」
「そりゃ女のバツイチはちょっと見栄え悪いけどさ。今まで俺をだました慰謝料って思えばいいじゃん」
「騙してないし、見栄えとかの問題じゃないし」
交渉(?)決裂。
これが致命的な喧嘩なのか、結婚前の試練なのかの判断がつかなくて友人に相談した。
そこで友人が…