私は父の前妻の娘。私が二歳になる前に略奪婚で後妻に納まった人物の娘が妹。
一度は母の元に引き取られたそうだが、四つになる前に母とタヒ別したため後妻家庭で育った。
何でわざわざ私を引き取ったのかと言えば、遺産。
母はそこそこ資産家の一人娘で、父と結婚前に祖父母が鬼籍に入っていたため、母が相続した財産は亡きあと私に流れた。
当時四歳にもなっていなかった私には管理できないため、私を引き取る名目で遺産がっぽりウマーをやったようだ。
私が成人したころには何も残っていなかった。
私と妹は妹が早生まれのため、学年で一つ違いになる。
後妻家庭の異物だった私は奴隷として育った。
父は一応私に愛情か、後ろめたさがあったのか継母と妹がいないところでは優しい面も見せたが、いるところではほぼ空気。
私が殴られようと栄養失調になるまでメシ抜きにされても何一つ言えない人だった。
前妻の娘を後妻の継母がよく思わないのは当然で、その母親を見て育った妹も私が憎かったのだろう。
それとも略奪がDNAに組み込まれているのか、中学二年ではじめてできたボーイフレンドを寝取られてからというもの、私が好意を抱いた相手は全員寝取られた。
この初彼氏の子を妹は妊娠。
中学一年の妹に産めるはずもなく中絶したのだが、避妊もせず寝取った妹ではなく、なぜかその彼と清い交際だった私が継母から全治二週間の怪我を負うほど折檻された。
これがきっかけでそれまで父と絶縁中だった叔父(父の弟)が、私が高校を卒業するまでの後見をしてくれることになり、底なし沼のようだった家から出ることができた。
家を出ることはできたけれど進学した高校が重なったため、妹とのつながりは私が卒業するまで切れることはなく、寝取られ記録は更新され続けた。
叔父は抱えていた障害のため定職に就くのが難しく、私を引き取ったことで相当無理をした。
私が卒業するころ、その叔父が倒れ入院。手術費を含む医療費と生活費を稼ぐため夜の世界に飛び込んだ。
叔父には亡くなるまで私が水商売をしているとは言えなかったが、今も私は夜の人間。
一生夜の世界で生きていく覚悟でお世話になったママのクラブを継ぎ、戸籍も養女になっている。
実家のほうから絡んでこなければ過去のシミで済んだのに、向こうのからのこのこやってきた。
まずやってきたのは父。
叔父の法要の場だった…