母と離婚することになった父が、なぜか私の親権を要求してきた。
それまで全く子育てに参加していなかった訳ではなさそうだけど、浮気、母に対する今で言う猛烈なモラハラ、経済DVなどなどむちゃくちゃだったらしい。
離婚時は私4歳、弟1歳。
母は当然二人共引き取るとし、その流れで離婚話も進んでいたのに、直前になってクソが私だけは残せとごねた。
時代はまだどっぷり昭和で、専業主婦だった母は弁護士を雇うなんてこともできず泣く泣く私をクソの元に残す形になったとか。
ここで母を責める人もいるだろうが、世間的には信頼の置ける人物として通っていたクソから精神的に追い詰められ、ガリガリになるまで痩せて、正常な判断も難しい状況だったらしい。
そんなこんなでクソは私を手に入れた訳だけど、その真意は
「離婚しても子どもを引取り健気に育ててる俺」
に酔う為と
「俺は命をかけてこの娘を大切に育てる!」
とかなんとか言って世間的にアピールする為だった。
いわばアクセサリー的なもの。
後から知ったけど、自分の浮気が原因なのに
「離婚になったかわいそうな俺」
発言も多かったらしい。
そしてその浮気相手と程なくして再婚し、私の世話はその人に丸投げ。
浮気などの事情は当時知らなかったけれど、子どもながらに色々感じ取っていたのか私はあまり懐かず、その人は随分苦労したけど、そのフォローもなし。
小学の高学年になれば色々思うこともありクソに意見もしてみたけど、その度に
「お前のことはこの世で一番大切だと思っている」
と白々しいことを言っていた。
多分、クソの中ではそれはウソではないんだろう。
でもだからといって、その言葉を行動で表すことはなく、何もかも後妻か、年老いた祖父母に丸投げ。
家族内に不協和音が鳴り響くのも
「こんな家族でかわいそうな俺」
として捉えてた。
一度聞いて笑ってしまったのは
「こんなにも家族思いでやさしい俺がなぜ」
とほざいてたこと。
結局、後妻にもモラハラ、経済DV、身体的DVもかまし離婚。
その時も
「二度も離婚になったかわいそうな俺」
だった。
そしてついでに
「二度も母親に去られたかわいそうな娘」が
「かわいそうな俺」
に花を添えるとピコーンと来たのか
「記念に(何の??)二人でお揃いのスキー板を買ってスキー旅行に行こう」
と訳のわからないことを言ってきた。
実はスキーが趣味なのはクソだけ。
それまで家族を連れて行ってくれたことはないのに、こんな時だけコレだ。
当然断ったら
「娘に邪険にされるかわいそうな俺」
その後…