嫁さんがとある病院に検診に行った際、半日かけて病院内をまわって診察を受ける形式の検診だったんだが、どうもその際に院内にいた医師に惚れこまれた。
道端を歩いていても後をついてこられたことのある嫁だったから、そんな話はまあよくある話なんだが、この医師、こともあろうにカルテを見て名前・住所・電話番号を調べやがった。
保険証関連記載から既婚者であることと、おれの会社もあらかた知られた。
嫁さんは確かに惚れられることが多かったが、たいていは既婚者という点で脱落する。
これはマトモな人間の証拠だな。
既婚者でも言い寄ってくるのがそれでも何割かはいる。
こうなるとモラルのないやつだからやり方もおかしい。
この医師に至っては、調べ方がそもそもおかしいし、
なぜか過剰に自分に自信があるらしく、後に話を聞く機会があった際に聞いたところだと、おれの勤め先を知って楽勝だと思ったそうだ。
その数日後から日中、直接自宅に来るようになった。曰く、薬の渡し間違いがあった、という名目。
普通に考えればどう聞いたっておかしな話だが、病院で検査を受けたその直後で結果待ちだったのと、相手が医師であったことで、嫁は瞬時に正しい判断ができなかったそうだ。
薬の話で、長くなると言われて家にあげてしまった。
夏場で、窓もあけていたし、家中を開放的にしてあったせいもあり、
危機感が薄れたのもあると思う。
すると…
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これは、おれが帰宅してから感じたことだが、
カーテンも窓も空気の入れ替えでちょうど開いてたんだよな。
襲われそうになって初めて嫁は医師に対して猛攻撃を仕掛けて逃げ切った。
特に武術を習っていたというわけではないが、火事場の馬鹿力、
あとは修羅場慣れもあると思う。
修羅場に慣れているなら警戒しろとも思うが。なんにせよ助かった。
近所の神社まで逃げ即座に携帯から通報、医師は逃げたがすぐに御用。
医師がトラブルを起こすと、一応病院の弁護士が立つんだな。
病院としてはおそらく医師の言い分を鵜呑みにしてか、
もう少し軽い問題だと思っていたらしいが、職務中にカルテを見て
家まで来たりと非常にヤバイ話だと判断したらしく、途中から弁護士が変わった。
こちらも、嫁が迂闊だった部分もあり、変に誤解を招きたくなかったので
大事にはせず、示談で終わらせたのであまり深くは知らん。
病院を停職されたことと病院と医師からの慰謝料だけは支払われた。
おれは裁判とか弁護士が関わる話ってあまりわからないんだが、示談金っていうのは、
「口止め料・詮索をするな」という意味合いの金でもあるんだな。
なんにせよ、嫁さんは一部の女性から敵視されることもあったため、
あまり大事にはせず、なにごともなかったかのように近所には
振舞うことには成功したので、おれとしてはそれで充分だ。
あんまり騒ぎにはしたくないのが本音。
通行人にまで家についてこられる嫁だったから、
もう少し法律にも裁判にも詳しくいたほうがよかったかもしれないな。
慰謝料は4桁中盤でした。
その医師が病院のお偉方の親戚だったらしくて、こちらが結構最初強気、というか
嫁に何してくれるんじゃ、って気持ちで相談一切受け付けない態度でいたら
金額は膨らんだ。正直な所嬉しい気持ちと、嫁になんちゅうトラウマつけてくれたんじゃっていう怒り半々。
それでも全部子供と嫁のために使うよ。