その日は1月2日。祖父の家に、近所の人や親戚一同が新年会で集まる日。私も、B子も集まっていた。
しかし、A子だけはKと初詣。
そしてA子、Kに
「携帯をお母さんが間違えて持って行っちゃった」
とか口実つけて、Kを祖父の家前まで誘導することに成功。
B子、それを見て、ニヤリと笑っていた。
悪人面だなぁって思ったけど、私も同じような顔をしていたんだろう。
親戚なだけに。
新年会はいい感じに盛り上がっていて、A子母、Kが玄関前にいるのを見て
「何なら上がってもらいなさい」と。
Kはちょっと躊躇ったそうだが、A子の
「おばさんが、美味しい栗きんとん作ってくれるの」
の言葉に陥落。
(B子から、Kが栗きんとん好きという情報をゲット済み)
いい感じにお酒が入ってるおじさん方が「A子ちゃんが彼氏つれてきたぞー!」と大騒ぎ。
はにかみながら和室に入るK。すかさず私とB子が
私「キャー!○○高校のK君よ!ステキー」
B子「私、K君の練習見に、わざわざ○○高校まで行ったことあるー!」
私「私も私もー!ねー、こっちに座りなよー!」
目を見開く、というのはあの事を言うんだろう。K、信じられないものを見たかのように、硬直。
KがA子に視線を送ると、A子、
「もう、しょうがないなぁ。み ん な の K 君だもんね?」とニコニコしている。
親戚に冷やかされながら、A子、B子、私に囲まれて座るK。娘の所業に、少々引き気味の、事情を知るB子母、私母。
栗きんとんよそってあげたり、
私「A子ちゃんに振られちゃったら、私と付き合わない?『毎月記念日お祝い』してあげる(A子がKにしてもらってる)」
A子「えー、だめよー、『高校卒業したら結婚する』んだから(かつてB子がKに言われた言葉)」
B子「K君、ジュース持ってくるね。大丈夫、ペプシじゃなくてコーラだよ♪(以前、私が間違えてペプシ買って怒られた)」
という、寝ながら考えた茶番を披露してみたりした。
K、ジュース持つ手が震えてたw
今にも泣きそう、くらいの頃合になって、
「え?K君、これから練習行くの?頑張ってねー!」
と祖父宅から追い出した。
それから、三者三様の別れ方をして、現在に至る。
キープだった私は、電話口で「無理」と言い続けるだけでよかったけど、A子とB子は、そこそこ粘着されたそう。
随分後になって、Kが人妻に手を出して刃傷沙汰になったって話を聞いたけど、あれはもう病気だと思う。