どこでもドアが欲しかった

精神障害者の叔父の暴力に耐えきれず、家を出て暮らすことにした私たち兄妹。その後大きくなって実家に戻ると…

time 2016/11/22

精神障害者の叔父の暴力に耐えきれず、家を出て暮らすことにした私たち兄妹。その後大きくなって実家に戻ると…

実家はすっかり荒れ果てていた。
窓ガラスのほとんどが割れて内側からガムテープで補強してあった。
庭も草ぼーぼーで垣根も壊れて、車庫のシャッターも割れて廃屋みたいになっていた。
呆然と皆で立っていると、道の向こうから悲鳴が聞こえた。
男の吠え声みたいなのも聞こえた。
叔父だ!とその瞬間にわかった。

つけてみたら叔父が散歩中らしいジャージ姿の老夫婦を襲っていた。
やめろ!と怒鳴ったが当然やめない。
兄するとがいきなりバッグからシャキーン!と何かを取り出した。
特殊警棒だった。
叔父に暴力をふるわれ続けて暴力恐怖症になっていた兄が中学の頃から肌身話さず持っていた警棒。
実家にいた時は叔父への恐怖で結局使うことはなかったんだが
兄がまだ持っていたこと、そして叔父本人に結局使う事態になったことに驚いた。

警棒で首の後ろを殴られ、叔父が倒れた。
私も妹も兄に加勢して、叔父を殴って殴って、蹴って蹴って蹴った。
皆でおんおん泣きながら殴って蹴ってる間に老夫婦が携帯で警察呼んだ。
警察が来る前に「あんたらは行きな、助けてもらったって言っておくから!」って
おばあさんが言ってくれたから私らは逃げた。

たぶん叔父が警察に私らがやったって証言したと思うけど
その後警察からなにも連絡はないし、新聞にも載らなかったから
きっと老夫婦がうまく言ってくれたのと、
叔父が精神障害の既往歴アリアリだから警察も信じなかったんだろうなと思う。

しょぼい復讐だけど兄妹全員でやりかえせてちょっとすっとした。

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