どこでもドアが欲しかった

ドライブ中の口論から、結婚予定の彼に眼鏡を盗られて車から放り出された→結果…

time 2016/11/24

ドライブ中の口論から、結婚予定の彼に眼鏡を盗られて車から放り出された→結果…

私は極度のド乱視とド近眼で視力が低い。
メガネをしても車の運転は無理。
そのうえドライアイがひどいため、コンタクトを常用するのは無理。

二年付き合った彼のポロポーズを受け、寿退社する予定だった。
相手は同じ会社の同期。

ここまでが前提。

両家の挨拶や挙式の日程も決まり、独身生活もあとわずかというときのことだった。

翌日も休みということもあって、デート帰りに彼と車でドライブを楽しんでいた。

前述のとおりコンタクトを常用するのは無理な私だけれど、一生に一度のお式の日くらいはメガネではなくコンタクトにしようと彼と車のなかで話していた。
前々から彼は私がメガネをかけているのが不満で、「外していたほうが美人なのに」と言っていたので自分のオトメゴコロもあったけれど単純に彼に喜んでもらいたかった。

そこでなぜか彼は「一日コンタクトにできるのならずっとコンタクトでいろよ」と言い出した。

過去に何度か挑戦して、ダメだったことは言ってあったので口論に発展。

最初は私も無理だよ~って感じで軽いノリだったが「メガネのお前、ぶっさいくでマジ引くんだよ」と言われたことでヒートアップ。
そのうち彼は車を停車させて、「見えない見えないって大げさだ。そう言えば運転してもらえると思って調子にのんな!」と私の顔からメガネをむしり取ると、助手席に回り込んで私を車から放り出した。

私はメガネがないと手元すら見えない。
突然のことにパニックになった私を置いて彼は「自分で帰ってこられるだろう!」と車で走り去ってしまった。

もう夜も遅い時間だったけど、街中だったから真っ暗ではなかった。

街の騒音や車道の車の音が聞こえてくるけど、私には歩道も車道も区別がつかない。どれが店のあかりで、どれが車のあかりなのかもわからない。

そんな状態でたったひとりで放り出された。

自分が持っていたのは上着のポケットに入っていたスマホだけ。
バックすら持っていなかった。

怖くて泣けてきた。
必死でスマホを使って彼を呼び出すけど出ない。

だれかにSOSをかけたくても字が見えなくて、彼に電話をかけられたのもその日に彼と電話で話していたからリダイヤルでかけられただけというものだった。
どこが安全に歩ける場所なのかわからないまま、壁かな?と思うところを手探りで歩いて…

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