はじめガリガリとチェーンに引っかかる感触があって、後はもう目を閉じて頭をかばった。
気が付くと救急車が見え、目の前に白い塊があった。
ああ、エアバッグだこれ、と思っていると、救急隊員の人が名前や何かを聞いてきた。
ぼんやりしながら「誰かけが人はいますか?後続車を巻き込みませんでしたか?」と聞くと
後続車も無傷で、その車の人が救急車を呼んでくれたのだと教えてくれた。
俺はそのまま意識を失って、次に気がついたのは病院だった。
全治3週間のムチウチと打ち身の軽傷で済んだ。
車はぐちゃぐちゃで、ブレーキが効かなった原因は中で何かが折れたためらしいとしか分からない。
朝のラッシュ時で、もともと40キロ前後のスピードしか出てなかったのと
チェーンがワンクッションになったのと、ガソリンスタンドの壁にぶつかる前に
積んであった廃材にぶつかりかなりスピードが削がれたのが幸いだった。