どこでもドアが欲しかった

生活がおかしくなった親父を力で抑えて家を仕切るようになった兄。ある日…

time 2016/11/28

生活がおかしくなった親父を力で抑えて家を仕切るようになった兄。ある日…

六歳上の兄貴と二歳下の妹がいて、兄が高校に入った頃から親父がおかしくなった。
出世して羽振りがよくなったからかパチンコにのめりこんで商売女に貢ぐようになって、ついにDVも始めた。

で、兄貴が高二になった頃にとうとうぶち切れて親父に反撃した。
親父は兄貴に散々ナグられて肋骨にヒビ入れられて、ついでに片足を踏み折られた。
ど田舎だったからか警察沙汰にはならなかった。

親父は泣き言言ってたけど
「電車通勤なんだから足の一本くらい困らんだろ」
って一蹴されてた。


これ以降親父は兄貴からゴミ扱い。
ついでにめそめそしてばっかりだったお袋のずさんな金の管理を兄貴が知ることになって、兄貴は家計簿付け始めてバイトも始めた。
親父は小遣いは兄貴に頭を下げて貰わなくちゃいけないし、一時期調子乗ってたのが嘘みたいな卑屈でしょぼくれたおっさんに変わった。

兄貴は俺と妹には優しかったけど
「金と異性にだらしない奴はクズ。ついでにボウリョク振るう奴もクズ。俺は親父にやっちゃったけどお前らはすんなよ」
ってずっと言ってた。

それから何年かして、俺が高一の頃、初めて彼女ができた。
兄貴は実家住みだったけどもう働いてて、
「学生らしい付き合いしろよ」
って普通の小遣いとは別に、こっそり彼女に使う用の小遣いくれてた。

その頃の俺は何か知らないけどモテた。
それで、だめだとは思ってたけど調子こいて二股したんだわ。
あとやらしいこともしてた。
あんだけ色々言われたのに。

ある日家に帰ったら…

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