どこでもドアが欲しかった

彼が既婚者だった → 彼「別れるならコロす」私「・・・」 → 八方塞がりで泣き暮らしていると…

time 2016/11/28

彼が既婚者だった → 彼「別れるならコロす」私「・・・」 → 八方塞がりで泣き暮らしていると…

昔、悪い奴に引っかかったことがあった。 

友達の紹介で知り合い、一年ほど交際していた男性が、なんと既婚だった。 
当然別れ話をしたが、
「妻とは別れるから」
と散々つきまとわれた。 

実際、夫婦仲は壊れかけてるらしく、奥さんから
「お前を恨む」
みたいな電話
が掛ってくるようになった。

男からは
「だから仲直りしようよ、ねっ、ホントに愛してるんだよ、君もそう言ったよね、絶対別れない、別れるなら殺す」
みたいなことを、会社の外や一人暮らしのアパートに現れては言われた。

職場でも不倫の噂をたてられ、アパートの大家にもやんわり
「出ていけ」
と言われ、警察に相談しても
「何か起きたら来て(死んだら来てってこと?)」
で、紹介した友人は音信不通で、とにかく八方塞がりで、毎日泣いて暮らしていた。

その頃、一度隣県にある実家に帰省した。
共働きでワーカホリックな両親とは昔からやや疎遠だったが、同居してた祖父(当時はもうボケてた)だけは大好きで、その祖父の誕生祝を渡すためだった。

もうボケが進んで、口数が少なくなってた祖父と実家の庭を眺めてると、祖父が急に
「困ってるんだろう」
と言った。

私が「え?」と聞き返すと、
「お前のことは、わかるよ。困ってるんだろう。弱ってるんだろう。
おじいちゃんはね、わかるよ。
おじいちゃんは、昔、外国でいっぱい、いっぱい人を殺した。
だから、どうせ、極楽にはいけないんだ。
おじいちゃんを、お前の家に連れて行って、その困らせてる者を、呼びなさい。
おじいちゃんは、必ず、上手くやるからね。
昔も、とっても上手くやったんだ。
だから、お前はもう安心して、いいんだよ。
もうどうか、泣かないでくれな」
と言った。
祖父の手はいつもより震えてた。

そこで…

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