どこでもドアが欲しかった

10年前にイジメを苦に自ら命を断った弟の日記を見つけてしまったが…

time 2016/12/01

10年前にイジメを苦に自ら命を断った弟の日記を見つけてしまったが…

10年前、イジメを苦に不登校になって自サツした弟の日記を見つけてしまった。
弟の部屋はずっとそのまんまになってて、親もあまり入りたくないらしくて放置。 
几帳面な性格の子だったので、きちんと片付いており、たまに掃除機かける程度で済ませてるらしい。 

私はもう嫁に行って実家を出ているのだが、たまたま帰省した時に、ふと魔が差して弟の部屋に入ってしまった。
4歳違いで、私は弟に勉強を教えることが多かった。
弟は私よりも頭が良かったが、そこは4歳差と解答の存在で、ナントカ誤魔化していた。
まあそこは本題じゃないのだが。

で、弟の数学のノートを見つけたのでパラパラとめくりながら
「あー、実は私このへん分かってなかったんだよな・・・解答見ながら誤魔化してたなあ」
とか懐かしく思っていた。
ところが、数学のノートのラストページから、弟の日記が始まっていた。

自サツする少し前、弟はフリースクールに通っていたのだが、そこでも馴染めず、学校を思い出して辛かったらしい。
だが、親に心配かけたくないからとフリースクールに行くフリをして、駅で身を潜めて時間を過ごしてた。

駅に連なる建物の中にはマックがあった。
ションボリして時間を過ごしている弟は、その日に限っておなかが減って仕方がなかったが、マックに入る金を持っていなかった。
すると、通りすがりのキレイなお姉さんが弟に
「大丈夫?」
と声をかけて、なぜかハンバーガーを奢ってくれて話を聴いてくれた。

すいませんと言う弟に、美女は
「男の子なんだからお腹すくよね。食べなよ」
と親切にしてくれた。
弟はすっかり美女に惚れてしまった。

しかし…

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