どこでもドアが欲しかった

兄が婚約者を連れてきた。が、それは中学3年の間私を虐めてきた女だった…

time 2016/12/03

兄が婚約者を連れてきた。が、それは中学3年の間私を虐めてきた女だった…

中学3年の間しつこく私を粘着して虐めてきた女を、兄が婚約者として連れてきた。

事前に婚約者を連れて帰ると聞いていたので、母と二人でwktk待機してた。
玄関で奴の顔を見た瞬間、今までされた事が頭によみがえってきた。
奴はにこにこと笑って「はじめまして」って言ったよ。
第一印象だったなら、きっと好印象を抱いたと思う。
茫然としてる私を尻眼に「婚約者様」の紹介は滞りなく進んで、母も大層奴を気に入って、いい人捕まえたわね!なんて帰った後兄の携帯に電話するほどに気に入ったようだ。

パニック障害が残ったせいで通勤が出来ず、在宅で仕事をする私と、バリバリ稼いでる奴。
味方なんていないと思った。
学校でもそうだったんだから。

私の事を覚えていないのなら、視界に入らないよう気をつければいいと思った。
でも奴は私を覚えてた。
兄からメアドを入手したらしくすぐにメールが来た。


結婚したら同居するつもりな事。
私を追い出すことは考えていないからよろしくねって。
昔みたいに仲良くしようね!って…。

電話も来て、兄がいかに奴にメロメロで、愛されていてなんでも聞いてくれるとか、私の話なんて信じない、証拠もない、下手な事を言って家族の仲を引き裂くようなまねはあきらめろ等々。 
こういう話しでよく見る録音とか、全く頭をよぎらず何にも反論する事が出来なかった。
証拠も取ってなかった。

結婚式の準備まで順調に始まって、奴はかなりの頻度で家に来るようになった。
奴が来ると知って家を抜けるが、会いたい、どこにいる等のメールや電話が来る。
次第に奴が来るんだから家にいたらどうかと母や兄にまで言われるようになって、味方なんてどこにもいないんだと絶望した。
相談もしてなかったんだから当たり前だったんだけど。

私の部屋に勝手に入ってモノを持っていく、箪笥の中に蟲の死骸を置き土産、わざわざソファーの隣に座ってきて仲良くしているふりをしながら腕をつねったり見えないように殴ってくる。
常に笑顔で。
本当に人のよさそうな、上品な顔をしている分恐ろしかった。 

段々結婚の準備で忙しくいらつくのか、エスカレートしていくようになった。
階段から落とされたり、直接お金を要求されたりするようになった。
兄も母も私が奴と仲良くしていると思って嬉しそうだった。

私は少し知恵おくれと言うか、頭の回転は遅いし話すのも上手くないので口では全く勝てなかった。
また、家族に相談するにもどういえばいいのかわからず黙っていた。
味方につけるにはうまくやらなきゃいけないと思ったから、喋ったら益々悪化すると思ったんだ、その時は。

そんな調子でずっと耐え、結婚式を数日に控えていたある日、身内で食事会をする事になった。
奴親、両親、兄に奴と私。家に招いて親睦を深めよう!みたいな、簡単なやつ。
お酒もすすんで皆始終機嫌が好さそうだったが、勿論そんな場所にいられるはずもなく
そーっと抜け出して自室に引っ込んでいた。
すると私の部屋に奴が来た。
「辛気臭い顔してうっとおしい。なんであんたみたいな奴が兄君の妹なのか理解できない。もしかして腹違いの子?浮気してできた子とか?ぎゃははきもーい。義母さんも見かけによらなーい!」など暴言を吐いていた。

しかし、奴はお酒に弱かった…

(Visited 1,780 times, 1 visits today)

down

コメントする

シェアする

  • 人気記事

  • 最近の投稿

  • 最近のコメント

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • メタ情報

  •