やっと分かった。浮子は誘ってるんだ。でも、俺にゃその誘いを受けれない。
浮子が上目遣いでこっちを見やる。狙ってやがるな、こいつ。俺は浮子にはもう軽蔑しかしてない。
俺「ごめん、無理」
浮「えっ・・・」
俺「浮子とは寝れない。友男の彼女だから。
大体会っていないとはいえ別れていないのに、彼氏がいるのに
他の男を誘う女とは寝れない。いくら可愛くても。それ、狙ってるでしょ?」
浮「狙ってる?」
俺「その上目遣い。それで何人の男が落ちたの?分かった、A男もB男もそれで落ちたんだ」
浮「なんでそのことをっ」
はったりだったのに、本当だったんかい。
もう話していられない。こんな女と。俺は店を出た。
浮「俺男君!違うの、さっきの冗談!!お願いだから友男には言わないで!」
完全無視。なんて女。俺はすぐさまA男に電話した。
俺「A男、お前浮子ちゃんと関係持ってんだろ?」
A「・・・なんでそのことを?」
俺「浮子ちゃんから聞いた。お前、誘われたの?で、のこのこついてっちゃってたの?」
A「ごめんっ本当にごめん!悪気はなかったんだよ、酔った勢いで!」
俺とA男は会うことに。そこにはB男とC男もいた。
話を聞くとこう。
いつか前、三人で飲み屋にいたとき、偶然浮子に会った。
浮子は一人で来ていたようで、顔は涙で濡れていた。
わけを聞くと、友男とやっていけない、もう別れる・・・と言う。
それ以上は深く聞かないで別れようとしたとき、A男にだけメモを添えたという。
中には「店を出た後、もう一軒付き合ってくれませんか」と書かれていたのだそうだ。
そしてそのまま誘われ寝てしまったというのだ。他二人も同じような状況だった。
三人は友男への罪悪感で離れてしまった、本当に済まない、それ以来浮子とは会っていないから、
と口を揃えて言った。俺は不思議と三人を怒ることが出来なかった。
ひとまず俺にじゃなくて友男に謝れ、今友男はコンビニでバイト中だぞ、と言った。
すると三人は号泣wバイト中であろうがなんだろうが今すぐ謝りに行くとのこと。いや、迷惑だろそれw
しかし一応友男に連絡すると「今終わったよ~」との声。
男五人で腹を割って話すことに。友男は何故か照れて挙動不審だった。
A、B、C「かくかくしかじか・・・というわけで本当に申し訳ありませんでしたっ!」
友「えー・・・そうだったの・・・俺彼女にも友達にも裏切られていたわけー」
A「本当に悪かった、ごめんっ!でも俺男はお前を裏切らなかったって・・・」
友「まじで?俺男が?女に飢えてるお前が?」
俺「もてなくて悪かったな・・・俺はちゃんと断ったよ」
友「そっか・・・ありがと・・・俺お前好きだわ・・・」
B「ちょっ友男ホモ走んなよ!彼女に騙されてたからって!」
A、C、俺、友「お前が言うんじゃねえよ!謝れよ!」
B「本当にすまん」
ってわけでなんか終始なごやかな雰囲気だった。
友男は「いくら本当でも隠し通せばよかったのに。ばれてもしらをきりとおせばよかったのに。」
と言っていた。ちゃんと話してくれたこと、浮子がそんな奴だって教えてくれたこと、それを喜んでた。
その姿にA、B、C号泣。土下座して、罰として一人三日ずつ友男に昼飯奢ることで決着がついた。
男同士ってサバサバしてんなーって思った。しかし、それでいいのかよ!
それから浮子とどうするかって話に。
俺たちも話し合いについてくって言ったけど、友男は断わった。
そしてじっくりねっとりと話し合いをし、なんとか別れることができたんだそう。
話し合い内容を簡単に言うと、
・浮子は言い訳オンパレードでごねて話にならなかった。
・それどころか俺達(俺男ら)が誘ってきて私を食い物にしたと言う。
・それにきれた友男は(まー食い物にはしたけど)浮子に強引に別れを告げる。
・浮子は泣きじゃくっていたがついに逆切れして、
「こんな男願い下げ!」と鼻息ふかして帰っていた。
ひとまず一件落着。友男は新しい彼女ができたようです(バイト先の子)。
ABCも戻ってきて野郎五人で楽しく大学生活過ごしています。
俺にも春は来るのかって感じだけど・・・。