どこでもドアが欲しかった

入学式で一目惚れしたあの子は、友達の彼女だった。が…

time 2016/12/04

入学式で一目惚れしたあの子は、友達の彼女だった。が…

やっと分かった。浮子は誘ってるんだ。でも、俺にゃその誘いを受けれない。 
浮子が上目遣いでこっちを見やる。狙ってやがるな、こいつ。俺は浮子にはもう軽蔑しかしてない。

俺「ごめん、無理」 
浮「えっ・・・」 
俺「浮子とは寝れない。友男の彼女だから。 
大体会っていないとはいえ別れていないのに、彼氏がいるのに 
他の男を誘う女とは寝れない。いくら可愛くても。それ、狙ってるでしょ?」 
浮「狙ってる?」 
俺「その上目遣い。それで何人の男が落ちたの?分かった、A男もB男もそれで落ちたんだ」 
浮「なんでそのことをっ」

はったりだったのに、本当だったんかい。

もう話していられない。こんな女と。俺は店を出た。

浮「俺男君!違うの、さっきの冗談!!お願いだから友男には言わないで!」

完全無視。なんて女。俺はすぐさまA男に電話した。

俺「A男、お前浮子ちゃんと関係持ってんだろ?」 
A「・・・なんでそのことを?」 
俺「浮子ちゃんから聞いた。お前、誘われたの?で、のこのこついてっちゃってたの?」 
A「ごめんっ本当にごめん!悪気はなかったんだよ、酔った勢いで!」

俺とA男は会うことに。そこにはB男とC男もいた。 
話を聞くとこう。 
いつか前、三人で飲み屋にいたとき、偶然浮子に会った。 
浮子は一人で来ていたようで、顔は涙で濡れていた。 
わけを聞くと、友男とやっていけない、もう別れる・・・と言う。 
それ以上は深く聞かないで別れようとしたとき、A男にだけメモを添えたという。 
中には「店を出た後、もう一軒付き合ってくれませんか」と書かれていたのだそうだ。 
そしてそのまま誘われ寝てしまったというのだ。他二人も同じような状況だった。 
三人は友男への罪悪感で離れてしまった、本当に済まない、それ以来浮子とは会っていないから、 
と口を揃えて言った。俺は不思議と三人を怒ることが出来なかった。

ひとまず俺にじゃなくて友男に謝れ、今友男はコンビニでバイト中だぞ、と言った。 
すると三人は号泣wバイト中であろうがなんだろうが今すぐ謝りに行くとのこと。いや、迷惑だろそれw 
しかし一応友男に連絡すると「今終わったよ~」との声。 
男五人で腹を割って話すことに。友男は何故か照れて挙動不審だった。

A、B、C「かくかくしかじか・・・というわけで本当に申し訳ありませんでしたっ!」 
友「えー・・・そうだったの・・・俺彼女にも友達にも裏切られていたわけー」 
A「本当に悪かった、ごめんっ!でも俺男はお前を裏切らなかったって・・・」 
友「まじで?俺男が?女に飢えてるお前が?」 
俺「もてなくて悪かったな・・・俺はちゃんと断ったよ」 
友「そっか・・・ありがと・・・俺お前好きだわ・・・」 
B「ちょっ友男ホモ走んなよ!彼女に騙されてたからって!」 
A、C、俺、友「お前が言うんじゃねえよ!謝れよ!」 
B「本当にすまん」

ってわけでなんか終始なごやかな雰囲気だった。 
友男は「いくら本当でも隠し通せばよかったのに。ばれてもしらをきりとおせばよかったのに。」 
と言っていた。ちゃんと話してくれたこと、浮子がそんな奴だって教えてくれたこと、それを喜んでた。 
その姿にA、B、C号泣。土下座して、罰として一人三日ずつ友男に昼飯奢ることで決着がついた。 
男同士ってサバサバしてんなーって思った。しかし、それでいいのかよ!

それから浮子とどうするかって話に。 
俺たちも話し合いについてくって言ったけど、友男は断わった。 
そしてじっくりねっとりと話し合いをし、なんとか別れることができたんだそう。 
話し合い内容を簡単に言うと、 
・浮子は言い訳オンパレードでごねて話にならなかった。 
・それどころか俺達(俺男ら)が誘ってきて私を食い物にしたと言う。 
・それにきれた友男は(まー食い物にはしたけど)浮子に強引に別れを告げる。 
・浮子は泣きじゃくっていたがついに逆切れして、 
「こんな男願い下げ!」と鼻息ふかして帰っていた。

ひとまず一件落着。友男は新しい彼女ができたようです(バイト先の子)。 
ABCも戻ってきて野郎五人で楽しく大学生活過ごしています。 
俺にも春は来るのかって感じだけど・・・。

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