どこでもドアが欲しかった

友人とお互いの彼氏の話をしていたら、なんだかよく似た人みたい…

time 2016/12/04

友人とお互いの彼氏の話をしていたら、なんだかよく似た人みたい…

写真の人物は間違いなく彼男ではないか。

固まってる私子を見て、どうしたんですか?と心配顔で言ってくる友子。 
震える声で私子は『この人…彼男…。』と言った。 
『何で名前を…知り合いだったんですか…?』と友子。 
『ううん…彼氏…。』と私子が答えると、友子も固まった。 
お互いしばらく目を見開いたまま、息をするのを忘れた。 
それからぽつぽつと小さな声で話し合っていくと、私子の彼氏が私子とのデートを断っていたときに限って、友子の彼氏は友子とのデートしていたのが判明(逆もあり)。 
同一人物なのは確定。

喫茶店にいたのだが、二人とも号泣した。 
今考えるとよく二人とも罵り合わなかったなと思う。 
やがて店長が来て『お客様、御気分でも悪いのですか!?』と聞いてきたし。 
ごめんなさい店長。

一ヶ月後、私子は彼男を家に呼ぶ。 
私子は彼男に何も言わず楽しく会話。 
ある時チャイムが鳴り私子はドアへ。

戻ってきて私子は彼男に『友達が来ちゃった!入れてもいいよね?』と言い、承諾をもらうとその友達を呼んだ。 
にっこり笑顔で入ってきたのはもちろん友子。 
友子の顔を見て『………あぁあー!!?』と叫ぶ彼男。 
私子も友子と一緒ににっこり。

『この子友子って言ってね、私の高校の時の後輩で、私たちと同じ大学なんだよ。 
学部違うから大学の中ではあんまり会わないけど、よく遊ぶんだ。』 
『わぁ!私子さんの彼氏って私の彼氏と本当にそっくり!! 
一度お会いしたかったんです!』と会話。 
彼男何も言えなくて口パクパク。 
私子たちにっこり。

『私子さんの彼氏さん見てたら彼氏呼びたくなっちゃった!』と友子は携帯で電話をかけ始める。 
当然のように彼男のバッグの中から着信音。 
固まってる彼男に代わって私子がバックの中から携帯を取り、電話にでた。 
『もしもし、友子です。』『もしもし、私子です。』と目の前にいるのに携帯で会話。 
お互いに電話を切る。

静まり返る室内。 
にっこりはさすがにやめて二人で彼男を睨んだ。 
冷や汗だらけの彼男は私子と友子を何度も交互に見て、やがて友子の方を向いて土下座。

『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!私子とは別れるから別れないで下さい!』と叫んだ。 
二人でポカーン。何故友子にだけ?私子には何もないのか?と。 
私子は二番目だったのか…と分かり(今思うとそんなクソ男の評価気にすることなかった)私子は床に膝をつき号泣。 
私子は泣いていたのでよく聞いてなかったが、友子は彼男の肩を蹴り、何か怒鳴っていた。 
友子も途中から泣いていた。 
『出てけー!二度と私にも私子さんにも近寄るな!!』と最後に言ってくれたのは分かった。 
逃げるように出ていった彼男。 
残った二人で日が暮れるまで号泣。

それからお互いの携帯に半端なく彼男から着信があったが全て無視。 
一度も彼男に会うことはなくなり、彼男が大学をやめたということを後から知った。

そんなこんなありましたが友子とは社会人になった今もよく会ってます。 
あんなバカ男いたなぁ、とよく二人で酒の肴にしています。

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