来た。
ヤツが来た。
いつもはあんまり目立ってないヤツだが、その時に限って噴煙を撒き散らしながら猛スピードで襲ってくるミサイルに見えた。
俺に気づいたとき、途端に大爆発。
ぬぅぅぅぅ…これは避けきれない。
死ぬのを待つしかない。
俺の凄まじい形相に気づいたヤツは、突然
「まかせとけ」
と言わんばかりに親指を立てる。
その親指はどーゆーつもりだ。
俺を笑いものにさせる気か。
本気で自殺を考えた。
しかし、驚いたことにヤツは全然話そうともしない。
そして何事も無かったかのように学校が終わった。
そいつに近寄り、
「今日のこと…話さないでくれたのか?」
と言うと、ヤツはこう答えた。
「…お前、お姉ちゃんいるんだろ?俺んとこにも妹がいてさ。気持ちよくわかるんだよ。前に俺も同じような目にあってな。色々言われたよ。」と。
その瞬間そいつは神に見えた。
いや、神以上だ。
超神だ。
そいつとは一度も一緒に帰ったこと無かったんだが、その日は一緒に帰り、タイヤキを奢ってやった。
GJ神様。
ちなみに姉ちゃんには爆笑され、
「お前一度着てみろよ、病み付きになるかもよ?」
などと言われた。
ぐぬぬ…