どこでもドアが欲しかった

兄が急死、家業を継ぐ事に。両親「実はお兄ちゃんに婚約者が」→婚約者だった女性とお見合いすることに…

time 2016/12/09

兄が急死、家業を継ぐ事に。両親「実はお兄ちゃんに婚約者が」→婚約者だった女性とお見合いすることに…

それは、東京時代に付き合っていた(旧)彼女でした。 
『そう言えば、余りにもドタバタしていたから会社を退職する時、この(旧)彼女 
と何も話してなかった。別れるどころか何も言わないで居なくなったんだよな』 
と思い出しながら 
『本当に申し訳ない、実は兄が無くなって俺が家業を継ぐことになった。貴女とは 
結婚のような約束をしていたかもしれないが、貴方がここのような田舎に来て上手く 
やっていけるとは思えないから、どうか俺の事は忘れていただけないでしょうか』 
と丁重に謝って別れてくれるようにお願いしました。

いきなり挨拶無しに目の前から消えた俺に対して(旧)彼女は当初かなりお怒りでしたが 
俺だけではなく俺の両親からも丁重な謝罪を受けると、東京育ちの自分がこのような田舎 
で俺と結婚して家業をやりながら暮らすのは無理だと分かってもらえたらしくて 
とりあえずは納得してくれたようでした。

ここまでは何とか問題無く関係を円満に解消できたと思ったのですが、問題は次の日に 
(旧)彼女が東京へ帰る直前に発生しました。

(旧)彼女を地元の駅へ送っていこうとしたその時、間もなく結納予定の(現)婚約者 
と鉢合わせしてしまったのです。

その時(現)婚約者と一緒にいた(現)婚約者ご母堂から状況を聞いた途端 
(旧)彼女はいきなり俺の両頬を往復ビンタ。 
『馬鹿にしてる、いきなり私の前から消えたと思ったらもう他の人と結婚の 
話が進んでいるなんて、あんたって本当に最低!』 
そんな感じで小一時間グダグダ状態に陥ったわけですが、暫く泣き喚いていた 
(旧)彼女は泣き喚いた事で感情が収まったのか、数時間後地元の駅から列車 
に乗って東京へ帰って行きました。

(旧)彼女が帰ったその日の夜、(現)婚約者のご両親にお詫びしたり 
いい加減さ(彼女がいたのに放っておいた)を俺の両親に責められたり 
様々ありましたが、何とか混乱も収まってその後きちんと結納をかわし 
結婚して子供も出来て、今はとあるド田舎で平穏無事に暮らしています。

(旧)彼女とはその後も少々問題がありましたがそれほど深刻にはならず 
無事に終了して今に至っています。

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