ある夜、私がバイトを上がる時間に、兄が友達二人(私も仲がいい人達)を連れてやってきた。
「店長お久しぶりでーす」
と言う兄達に、セクハラ野郎を含むバイト達は硬直。
実は、兄達は学生時代そこで働いていて、店長と知り合い。
「わー久しぶり、相変わらず人相悪いねぇwwwみんな怖がってるじゃんwww」
と店長。
ここで兄達のスペック紹介
兄 185センチ。目が細くて坊主頭。スーツを着たらそっち系の人に見えなくもない。
友1 195センチ。細マッチョであだ名はシュワちゃん。
友2 180センチ。サングラスは体の一部と言い張る筋肉馬鹿。
みんな気は優しいんだけど、三人固まってると私でも少し怖いくらいの容貌だから、みんなかなりビビってた。
兄達はお持ち帰りの料理を頼んで、出来上がるまでカウンターの端で店長と雑談。
兄「最近ここら辺で痴漢が多発してるみたいで、可愛い妹が心配で迎えにきちゃいましたよ」
と、カウンターのキッチンにいるセクハラ野郎をギロリ。
友1「(妹)は俺らの妹も同然だし、俺らも心配で……」
と、セクハラ野郎をギロリ。
友2「まぁ何かあったら俺の筋肉が火を吹きますけどね」
とサングラスを外し、セクハラ野郎をギロリ。
それに気づかない店長は
「痴漢だなんて男の風上にもおけんな!嫌な世の中だよな全く」
と兄達とワイワイ話していた。
どうも、兄は母から私の話を聞き、友達を誘って様子を見に来てくれたらしい。
セクハラ野郎の容姿を母に話していたこともあって、兄達もそいつが誰かわかり、私が帰り支度をしてる間もとにかくそいつを睨み続けたみたい。
おかげでセクハラはぱったりとなくなった。
ただ兄からは
「世の中にはあえて不細工を狙う痴漢もいる。自分が不細工だからって、泣き寝入りしたり、仕方がないとは思うな。俺も気が弱いからお前の気持ちはわかるけど、そういうのはハッキリ嫌と言うか、周りに相談しろ」
とかなり怒られた。
不細工は余計だけど、おしっこちびりそうになりながら(後日談。三人とも気弱で、本当はかなりビビってたらしい)睨みをきかせてくれた兄達に感謝。