どこでもドアが欲しかった

まさに「勘助ホイホイ」だった友人Aの話

time 2018/09/09

まさに「勘助ホイホイ」だった友人Aの話

英語のクラスは、入学してすぐ受けさせられたTOEICの成績で割り振られる。上からA、B1、B2、…
で、Dクラスまで。2号は割と優秀だったらしく、

2「俺、英語のクラスB1なんだ。君は?なんなら英語教えてあげるよ」
A「いらないよ。私Aクラスだし」
2「…」

瞬殺だった。やはり2号もその後Aに近寄ろうとはしなかった。
因みに、私はC1クラスだった。成績が上がれば上のクラスに行けるけど、Aクラスは授業内容がかなり違ったみたい。B1からAに上がろうとした友人が、Aクラスの授業に体験で出てみたけど、
「やべえ、最初から最後まで全部英語で、日本語が聞こえてこない。無理」
って青ざめてた。

勘助3号は、Aと同じサークルの人だった。
3号はAの彼氏にどうしてもなりたかったみたいで、かなりしつこく言い寄っていた。
Aは同じサークルの人だから、今までの1号2号みたいにザックリ切り捨てるのを躊躇ってた。それをいいことに3号は毎日毎日メールを寄越しまくり、返さなければ「なんで返事してくれないんだ」となぞの逆ギレ。サークルの別の男の子に相談して、やめるように説得してもらっても聞く耳持たず。
メールやSNS嫌いで友達とも用事がある時しかメールしないようなAにはかなりストレスだったらしく、日に日にやつれていくようだった。

そんなある日、学食でAとお昼を取ってたら、3号がやってきた。もう3号の中ではAと付き合ってることになっているらしく、それを自慢するみたいに大きな声で、
「週末○○に行こうぜ、んで夜は俺の部屋で泊りな。つかお前さ、俺がメールしてやってんだから返事はすぐに返せよ」
と言って、Aの頭を撫でた。

Aはぶちぎれた。
3号の手を叩き落とし、ものすごい勢いで罵倒し始めた。

A「ちょっと、何触ってんの?きやすく触らないでくれる?きっもちわるい。
つーか何彼氏気取ってんの?わたしあんたと付き合った覚えないんだけど。毎日毎日くっだらねーメール何通も寄越しやがって、てめーは暇か知らねーけど私はあんたのクソみたいな話に付き合ってる暇はねえんだよ。んなことしてるから単位落とすんだよ。だっっせえ。」
Aが乱暴な言葉を使うのを見たのは初めてで、かなり衝撃だった。

単位落としたのを自慢するような馬鹿とはお付き合いしたくないの。消えてくれる?とかとうとうとまくし立てて、Aは食事を再開した。もう3号のことは完全に無視で。
衝撃から復活した周りの人は3号をクスクスしだして、3号は顔真っ赤にして去って行った。Aははずかしそうに、「お騒がせしてすみません」と周りに謝っていた。

因みにAの成績は言葉に違わず優秀で、学科で1位2位を争うレベルだった。私と同じだけサークルやってバイトもやって、いつも家でどんだけ勉強してるの、って聞いたら「試験前位しかしないよ」と言われて落ち込んだこともあった…。
でも試験前は一緒に勉強しよう、ってほぼ私や他の友人に対する講義になっちゃうのに誘ってくれる。人に教えたらその分頭にはいるからって、嫌な顔一つしない。在学中は随分助けられた。
Aは大学の3年間平均90点以上の成績をキープして、飛び級しちゃった。
就職活動が終わってから、Aは髪をバッサリ切って茶髪のショートに変身した。服装もボーイッシュなおしゃれ系に変わった。これまで勘助ホイホイ?なスタイルだったのは、就活で黒に染め直すのが面倒で、黒髪ショートは失敗すると野暮ったくなるからロングにしてただけだそうな。
髪を切って染めてからは、勘助被害は減ったらしい。あっても前程酷いのはいなくなったとか。

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引用:LIFELIFE
画像出典:写真AC

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