一件落着、と思っていたが、
転職先の入社日を数日後に控えている頃に
生/理が来ていないことに気が付いた。
あれだけ辛かった時期にもきっちり周期通りに
来てたので不思議に思い、半休で
産婦人科を受診したところ、妊娠が発覚。
妊娠するような時期にはもう体/の/関/係も
絶っていたこともあって、茫然。
会社に戻り、産婦人科の領収書を
ぼんやり眺めていたら社長が
「できてた?」と聞いてきた。
何か知っているのかと問えば
取り上げたはずの合鍵を見せて、
ドヤ顔で以下のように説明してきた。
・急に私が元気になったので、念のため合鍵の合鍵を作っていた。
・夜に会いに行ったところ、チェーンがかかっていたので外から外して入った。
・寝ていたので、こっそりやって帰った。
反射的にスマホを投げつけ、怯んだ隙に
何の荷物も持たずに自宅まで走って逃げた。
当然追いかけてくるのが怖くてたまらず、
自宅に逃げ込んですぐさま別端末から
母親に連絡を取り、すぐに警察を呼んでくれるよう頼んだ。
その間にもガンガンとドアが叩かれる音がして、
母親もただ事ではないと察したようだった。
相手は合鍵をまだ持っているのでそれでドアを開け、
恐らく夜に忍び込んだときのように
チェーンを外そうとしているのを見て、
慌ててドアまで駆け戻り内側からドアノブを引っ張った。
警察が来るまで何度もドアの開け閉め合戦をして耐えた。
極度の緊張状態で息もろくに出来なかった。
警察が来たとき、民事不介入を叫んで
抵抗するも引きずられていく彼を見て
怖いのと安心したので、しゃくり上げて泣いた。
それからはあっという間に会社に
放り出してきた荷物を回収して家も引き払い、
数回引っ越しをし、公的な書類も
すべてロックして完全に彼の前から消息を絶った。